酒井抱一画 掛け軸「七草図」

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酒井抱一筆 掛け軸「七草図」 財団法人・水府明徳会公認監修  複製画 特製絹本 【付属解説より】  日本の近世美術において、鮮麗な色彩と装飾的な画風により斬新な感覚や豊かな情趣を表現した光悦、宗達、光琳、乾山、抱一、其一などの人たちを、今日「琳派」と総称しています。  琳派は土佐派や狩野派のように家系や師伝により継承された流派ではなく、光悦・宗達に光琳・乾山が、そしてそしてさらに抱一・其一が、それぞれ約百年を隔てて私淑し、先達の芸術を再興し発展させてきた系譜です。  とくに江戸後期に登場した抱一は光琳に深く傾倒し、文化12年(1815)に光琳の百年忌を営み、「光琳百図」「光琳百図続編」を刊行したほか、自らは深い観察のうえに立って豊かな叙情性を湛えた装飾画風を確立し、江戸琳派随一の巨匠といわれています。  酒井抱一(1761ー1829)は播州姫路藩主酒井忠以の弟として江戸に生まれました。名は忠因、字は暉真、号は抱一のほかに庭拍子、鶯村など。寛政9年(1797)に37歳で西本願寺の文如の弟子となり等覚院文詮暉真と称し、文化6年(1809)、のちに雨華庵と名付けた画房を根岸に営みました。  抱一は若年より多趣味多芸でしたが、剃髪隠居後は風雅の道に専心し、文化人とも広く交遊しました。    絵は狩野派や大和絵のほか歌川豊春風の浮世絵美人画、新来の洋風画法、さらには京都の円山・四条派や伊藤若冲の画法に習熟し、優美ななかにも陰影に富んだ江戸琳派を完成しました。  代表作として「月に秋草図屏風」(個人蔵)、「夏秋草図屏風」(東京国立博物館蔵)、「十二ヵ月花鳥図」(御物)などが知られているように、草花図を最も得意としていました。    本作品は秋の七草である萩、薄、葛、撫子、女郎花、藤袴、朝顔を描いたもの。画面中央右寄りに萩、薄、藤袴、朝顔を集め、薄と藤袴は上方にすらりと、葛と朝顔の蔓は左上方と左下方にそれぞれ伸ばして画面に動きを与え、下部左寄りに女郎花を立て撫子を、あしらっています。蔓や薄の茎は淡墨で軽快に描き、花々や葉は鮮やかな色彩や淡墨で精細に描いています。 ※本品は大幅の本作品を、特殊美術印刷により縮小複製したもので、特製絹本、軸先には新牙が用いられています。 掛け軸寸法:天地173センチ×左右53.2センチ 本紙寸法:天地89センチ×左右39.5センチ

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